【矢沢永吉のライブに行ってYAZAWAタオルがないなんて考えられないよね!「第九せんべい」 鳴門西ライオンズクラブ 会長 木村正美様インタビュー】
おはようございます。
本日のブログは鳴門西ライオンズクラブ 「第九せんべい」の開発秘話を、会長の木村正美様とのインタビュー形式でご紹介です!
文章は太田匡訓さんです!ありがとうございます!!
第九アジア初演の地「板東」より愛を込めて。キーワードは「街づくりとパッケージ」。
みなさんは鳴門市の「板東」という地域をご存知だろうか?ドイツと古い縁のある、のどかな田園風景の広がる街だが、ベートーヴェンの交響曲『第九』がアジアで初めて演奏された地でもあり、来年には記念すべき100年という節目を迎える。自分が生まれ育った街「板東」のために、何かできることはないだろうか?鳴門西ライオンズクラブの木村正美会長(以下、敬称略)にその原動力をお聞きしました。
- 松浦
- まず最初にパッケージ松浦に依頼するきっかけってなんでしたか?
- 木村
- 商品開発をしている中でパッケージに行き詰まったんです。
透明の無地のパッケージでは商品にならないですし・・・。
そんな時に、鳴門市の商工政策課に話を聞きに行った時に、
パッケージ松浦さんを紹介してもらったんですよ。
- 松浦
- おー、そうだったんですね!
最初に来られてから、形になるまで早かったですよね!
- 木村
- それはもう、パッケージ松浦さんの対応が早かったことと、
商品のイメージを最初の段階から出してくれたので分かりやすかったからですね。
- 松浦
- ドイツ館や周辺の道の駅、お土産屋には「鳴門金時」や「鳴門わかめ」・・・。
これじゃあ矢沢永吉のライブに「YAZAWAタオル」が売っていないのと同じですよね(笑)
- 木村
- まさにそう!
私は思うんです。「地元の商品が無いと、街は良くならない」って。
「板東の・・・」とか「第九の・・・」っていう商品がないといけない。
私はそう思うんです。
- 来年はアジア初演100年の節目の年。
そしてその翌年はユネスコの世界記憶遺産登録へ・・・。
そういうものがある、そんなチャンスがあるんですよ。
それを活性化に活用しないと、板東の街は衰退するしかないんですよね。
- 松浦
- 地元愛がスゴイですね!
でも、その地元に対する愛ってどこから湧き上がってきているんですか?
- 木村
- 私は不動産業という仕事柄、いろんなところの不動産や街を見るんですよね。
板東に隣接した藍住町や北島町はすごく発展しているんです。
かたや板東はいま、人口減少が著しいんです。
そういうのを目の当たりにしたときに、今こそどうにかしないといけないって。
そう思ったんです。
- 地元の自治会長もさせてもらっています。
そしてライオンズクラブの会長も拝命し、100年という時に巡り合わせのようになった。
今まで抱えてきた想いに加えて、自分が生まれ育った板東という街を、
「どうにかしたい」と強く思ったことが原動力ですね。
- 松浦
- その想いを踏まえて、初めて来ていただいた時に
「じゃあベートーヴェンでしょう!」ってなりましたもんね!
- 木村
- 松浦さんをはじめ、皆さんが話をトントンと進めてくれたのでね。
その場で作ってくれた試作もちょうどよかったので、どんぴしゃの出会いでしたね。
パッケージがダメだったら、この商品は成り立っていないと私は思うんです。
- 松浦
- そして、実際に形になるまでが猛スピードに早かったですね。
- 木村
- 私も経営者ですので、良い提案について良いものは良いと、
だから早いスピードで進めていくと十分理解しています。
作った後であれこれ考えていけばいいのかな、って思うんですよね。
- 松浦
- 実際に郵送パッケージで裏面に感銘を受けたと伺っていますが、
あのアイデアが最初出てきた時はどう思いましたか?
- 木村
- すごく良かったですよ!
現地で第九を歌った想い出をその場で伝えられる、お土産として送れる。
これはもう最高やね。
モノよりも、気持ちのようなものがくっついている商品になりましたね。
- (表面)ベートーヴェンと鳴門市のドイツ館をイメージに採用。
- (裏面)この商品の一番の目玉。140円切手を貼って投函できる郵送パッケージ。
- ちなみにせんべい自体は可食インキを使って、板東にちなむ6種類の写真が印刷されている。
- 松浦
- 商品の売上利益は第九振興に携わる地域の団体に寄付されるそうですね?
- 木村
- そうですね。
まさにエシカル消費というか、倫理的な消費行動になっていくと嬉しいですね。私たちには「動く、動かす、感動させる」というテーマがあります。
自らが動いていくことによって、それに賛同してくれる人も動いてくれる。
そして結果的には購入した人や寄付を受けた多くの人たちが感動してくれる。
そんな設定で物事を考えているんですよ。
- 松浦
- ちなみに、他のパッケージ屋さんにも話を聞かれたんですか?
- 木村
- いや、パッケージ松浦さん一本でしたね。
第一印象もあるし、この人なら分かってくれる・・・っていうか。
重くて堅苦しい感じで捉えられるとしんどいですもんね。
そういう意味では桑原さんや太田さんとの相性で生まれたものでもありますね。
- 松浦
- それにしても木村さんの行動力は凄まじいですね。
- 木村
- 待っていたってダメだと思うんです。
作った以上は我が子のような子供可愛さじゃないけど、親バカにならないとね(笑)
自分が携わった商品、みんなで一生懸命作った商品だからこそ、
持って歩いて、いろんな人に理解を得て・・・という行動は絶対に必要ですしね。可愛い我が子と思えるかどうかですよ(笑)
- 松浦
- これからさらに可能性が広がっていきそうですね!
- 木村
- 今回のパッケージが出来たことで、多くの人が応用しようとすると思います。
その起爆剤になってくれれば、というのが私の願いでもあります。
自分たちのところで売ったり買ったりしても、たかが知れていると思います。
街づくりの一つと捉えて、その中で自分が活用できるものをフル活用していく。
そんな必要があると思います。
- 松浦
- 大変勉強になりました!ありがとうございました!
- ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
ドイツと板東の架け橋になりたい。
ドイツからマイスターと呼ばれる様々な職人を呼んでマルシェの企画、
民泊事業の中で観光客に向けた展開を考えたり。
さまざまな構想が木村さんの頭の中で巡っている。
実にこれからの活躍が楽しみです!
鳴門西ライオンズクラブ 「第九せんべい」
- 住所
- 徳島県鳴門市大麻町板東辻見堂69−1
- TEL
- 088-683-5977
- FAX
- 088-689-1559
この記事を書いた人
パッケージマーケッター 松浦陽司
1974年、徳島県徳島市生まれ。著書「売れるパッケージ5つの法則と70の事例」と「売上がグングン伸びるパッケージ戦略」を出版。パッケージマーケティングの創始者。パッケージの企画やデザインだけではなく、商品開発の根幹であるブランディングも行い、多数の成果をあげている。中身商品は同じでも、パッケージを変えただけで売上10倍になったり、単価が5倍になったりする事例を生み出している。その他、執筆活動、講演活動なども行う。ブランド・マネージャー認定協会2級&1級&ミドルトレーナー。