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HOME > BLOG > パッケージマーケティング > 【「私の手の中にあるのは、パンではなく優しさです」パン・アキモトの「パンの缶詰」】
2017年08月8日

【「私の手の中にあるのは、パンではなく優しさです」パン・アキモトの「パンの缶詰」】

さらば価格競争」という坂本光司先生の本を読みました。


価格競争だけでの世の中は終わった。
ニッチ、お客様の声、ブランディング、こだわり、市場創造、社会貢献などの分野で特化した企業でないと。
本当の意味でお客さんに必要とされる、選ばれる企業でないといけないと痛感しました。

本の中で21社の企業が紹介されていたのですが、
ボクが非常に感激したのが「パン・アキモト」の事例。
パッケージのお話もあり、紹介させて頂きます。

パン・アキモトは栃木県にある普通のパン屋さんだったのですが、
とっても変わった商品を販売しております。


それは「パンの缶詰」という商品で、なんと賞味期限が3年!
3年間美味しいパンが食べられるという長期保存パッケージなのです。

なぜ、パンの缶詰を作ったのか?
きっかけは1995年の阪神淡路大震災。
被災地へ即、2000個の焼きたてパンを持ち込んだ秋元さん。
最初はとっても喜ばれたのですが、びっくりすることが起きたのです。

「後から来る人たちのためにとっておこう」
うん、なんて美しい心!
日本人ならではの「自分だけじゃなく」という感情からくる出来事です。

しかし、この出来事のあとに悲しいことが起こるのです。
せっかく、美しい心で残されたパンが2~3日経つとカビが生えたのです。
そう、、、、、廃棄処分です。

せっかく焼いたパンが、
せっかく食べた欲しくて持ってきたパンが、
廃棄処分。

「おいしくて保存の効くパンを作ろう」
それがきっかけだったそうです。


パッケージは長期間持たせられるように「缶」を採用。
被災後にパンを食べた後にコップとしてアフターユースができるように、
開け口には丸みを持たせて唇が切れないような工夫までしてます。

製造は無菌を保つべく、缶のまま製造。
無酸素を保つために、パッケージ内には脱酸素剤。
結露を防ぐために、特殊パンで生地を包んでいます。
これで3年間の賞味期限を達成したんですね。

2010年ハイチ地震被災で配布されたこのパンの缶詰。
日本と似たようなことが起こりました。
「家に持って帰ってお兄ちゃんと食べる」
「私はお母さんと」
でも、もって帰ったあとでも、ちゃんと美味しく食べれるのです!
感動パッケージです。


さらに感激するのが「救缶鳥プロジェクト」です!
例えばある中学校では、入学時に全員が3年賞味期限の「パンの缶詰」を買います。
卒業間近になっても食べなかったパンの缶詰は、
自分で食べるか、世界に送るか、自分で決めれるのです。

ある女生徒は送ることを決めました。
この「パンの缶詰」には実はメッセージ欄があるのです。
そこに「I am happy with you」(あなたと一緒にいられて幸せ)と書いて送ったのです。
受け取った人は温かくなるでしょうね。
そして送った女生徒も「私でも国際貢献できたのね」と感動しているのです。


ちなみにこの缶は2013年にフィリピンで死者8000人という
大被害にあった小学校の女の子に届きました。
女の子はそのメッセージを見て
「私の手の中にあるのは、パンではなく優しさです」と感じたそうです。
なんて美しい。

うーん、なんて素晴らしい取り組み、それを支えるパッケージ!
パン・アキモトの記事を見て本当に心温かくなりました。

画像出典など

株式会社パン・アキモト
http://www.panakimoto.com/

救缶鳥プロジェクト
http://www.panakimoto.com/products_kyucancho/

さらば価格競争Amazonページ
https://buff.ly/2hBg25H

この記事を書いた人

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パッケージマーケッター 松浦陽司

1974年、徳島県徳島市生まれ。著書「売れるパッケージ5つの法則と70の事例」と「売上がグングン伸びるパッケージ戦略」を出版。パッケージマーケティングの創始者。パッケージの企画やデザインだけではなく、商品開発の根幹であるブランディングも行い、多数の成果をあげている。中身商品は同じでも、パッケージを変えただけで売上10倍になったり、単価が5倍になったりする事例を生み出している。その他、執筆活動、講演活動なども行う。ブランド・マネージャー認定協会2級&1級&ミドルトレーナー。

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